和の色名 秋の色~中秋の名月のころ~

higannbana 和の色名
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

厳しかった太陽の陽射しが少し弱まり、日の落ちる時間も早くなってきました。
ようやく朝晩に涼しさを感じるようになり、また虫の音も聞こえ、
秋の訪れを感じる今日この頃。

今日は秋の夜にふさわしい和の色名をご紹介したいと思います。

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秋深まるにつれ花開く 秋の七草

春の七草はお粥に入れて食べ、無病息災を祈念するものですが、
秋の七草は見て楽しむもの。

古くは万葉集でも取り上げられる秋の七草。
山上憶良も秋の七草を歌っています。

萩、すすき、葛、なでしこ、おみなえし、藤袴、桔梗

一時に咲くのではなく、秋が深まっていくなかで、
それぞれ花開いていきます。

昔は普通にあった草花ですが、藤袴や桔梗は、
自生できる野山が減少していることから、
絶滅の危機に瀕しています。

なんだか切なく寂しく感じますね。

また、秋分の日のお供え物といえば、「おはぎ」
春には「ぼた餅」と呼ばれます。

昔は、秋に収穫した小豆をそのままつぶあんで「おはぎ」とし、
冬を越して硬くなった小豆をこしあんにしたのが「ぼた餅」という
違いがあったそうです。

秋の萩「おはぎ」と、春の牡丹「牡丹餅」と、
それぞれお花に見立てているところが風流ですね。

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萩色(はぎいろ)

萩の花の色。
平安時代からの色名で、秋の襲の色めになっていて、
7月~9月に着用されたようです。

萩は日本人に好まれてきた花ですが、
萩がつく色名はこの一つしか伝えられていません。

万葉集には4500首ありますが、植物の歌は1500首あり、
中でも萩は138首あり、最も万葉集で歌われている花だそうです。

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桔梗色(ききょういろ)

夏の終わりから初秋にかけて咲く桔梗の花から取られた色名です。
平安時代からの色名で、古くは「アサガオ」や
「きちこう」とも呼ばれていたそう。
襲の色めの一つです。

桔梗という言葉つく色名はとても多く、
紫系の色の人気を物語っています。

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紅桔梗(べにききょう)

青紫の桔梗色に紅色を重ね染した色です。

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桔梗納戸(ききょうなんど)

桔梗色に納戸色をかけあわせ、渋くした色です。

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女郎花(おみなえし)

女郎花の花の色。
緑みを帯びた黄色で、透明感のある爽やかで涼しげな色です。

平安時代に誕生した色名で、秋に身につける色とされていました。

女郎(いらつめ)にはたくさん意味がありますが、
身分の高い女性や若い女性を指し、敬語でもありました。

撫子色(なでしこいろ)についてはコチラの記事で詳しく書いています。

昔は撫子や石竹(せきちく)の花の色がピンクの基調でした。
枕草子や源氏物語などにも登場します。

秋の七草に数えられていますが、不思議なことに
撫子の古名は「常夏」で、夏の花として描かれています。

月が美しいころ

旧暦の8月15日の満月のこと。
2020年は10月1日がこの日にあたります。

ちょうど里芋の収穫時期にあたることから、「芋名月」とも呼ばれ、
豊作への感謝をこめて芋をお供えするならわしもあるそうです。

秋は湿度が低くなり、空気が澄み渡るため
月がとても美しく見える季節です。

月は高いほど白く、低いほど黄色く見えます。
地平線(水平線)近くでは赤く見えたりもしますが、
これは全て光の波長の影響によるものです。

お月見の風習は中国から伝わり、貴族の間で広まったのが始まりです。
観月の宴は池に舟を浮かべて、水面にうつる月を愛で、
歌を詠み、盃に月を映してお酒を飲む、など、
秋を楽しむ雅やかなイベントだったようです。

また、帝は上を仰ぐことはないとされ、
月を見上げず、盆などに水を張り、そこに映った月を楽しんだそうです。

江戸時代になり、豊作祈願のお祭りとして、庶民に広まりました。

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月白(げっぱく)

淡い青みを含んだ白です。
「つきしろ」と読むと、月が出る時に空が明るく白む色をあらわします。
これは「月代」とも表現されます。

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蒼白色(そうはくしょく)

蒼白は青白いことを言いますが、特定の色ではなく、
青みがかった様子全般を表します。

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白藍色(しろあいいろ)

藍染の淡い色です。
少し緑がかった優しい色です。

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藍白(あいじろ)

藍染の最も淡い色です。
ほとんど白に近く、「白殺し」とも呼ばれます。

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雲居鼠(くもいねず)

雲居とは、雲のたなびくはるか遠くのことや宮中をさします。
尊さをあらわす色でもあります。

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魚肚白(ぎょとはく)

魚の胃袋に似た青みがかった白です。
肚という字には「いぶくろ」や「はら」という意味があります。

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少し文字が見にくいので、印象が変わってしまいますが、
グレイで文字入れしたものがコチラ。

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真珠色(しんじゅいろ)

真珠のようにわずかに灰みがかった白をあらわします。
炊き立ての新米のご飯がこの色で表現されることがあります。

和の色名

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洎夫藍色(さふらんいろ)

秋に咲くものをサフラン、春に咲くものをクロッカスと呼ぶ花。
紀元前から世界各地で香辛料・染料・香料・薬用として利用されていて、
日本へは江戸時代に薬として伝わりました。

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吾木香(われもこう)

バラ科の多年草で「吾亦紅」とも書かれます。
茜草と紫草の根で染めた深みのある色です。

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緋色(ひいろ)

緋色は真緋、浅緋など、奈良時代から使われていた色名です。
緋は火や日をあらわす「あか」と同じ意味でもあります。

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京緋色(きょうひいろ)

京都で染める緋色は純度が高く上質とされていました。
この色は緋色の中でも憧れの色だったそうです。

honooiro

炎色(ほのおいろ)

炎の色をあらわしたもの。

ここまでが今日ご紹介の和の色名です。
秋の夜にほのかにのぼる青い月の色に
美しい名前がたくさんありますね。

日本人ならではの感性なのかなと思います。

余談ですが、日本ではお月様に「餅つきをしているウサギさんがいる」と
言われていますが、インドでは、神さまが老人に変身して
森にやってきたときに、他の動物は獲物や果物をもってきて捧げたけれど、
ウサギは捧げるものがなく、わが身を炎をに投じて差し出したため、
神さまが月にウサギを住まわせた、という言い伝えなんだそう。

動物好きとしては、何も捧げなくても、
神様は受け入れてくれると思うので、
ちょっと悲しいお話です。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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