和の色名~江戸時代の色 3~

purumeria 和の色名
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

歴史で見る和の色名。
江戸時代の色のご紹介も3回目に入りました。

前回の記事はコチラ
和の色名~江戸時代の色 2~

江戸時代は260年続き、歴史が長い分だけ、
色名もたくさん生まれています。

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江戸の花形職業

江戸時代の三大職業は次の3つだったそうです。

・大工
・左官
・鳶

職人系のお仕事ばかり。

鳶は火消し役で、火を消し終わったら
半纏(はんてん)を裏返して、派手な裏地を見せながら帰る
が粋だったそうです。

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鳶色(とびいろ)

鳶の羽根の色で、赤みのある濃い茶色です。
色としては実際の羽根の色よりも赤みが強いです。
江戸時代に男性の着物の色で人気がありました。

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紫鳶(むらさきとび)

蘇芳色(すおういろ)をベースにした渋い紫色です。

kurotobiiro

黒鳶色(くろとびいろ)

鳶色より一段と暗い色です。

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紺鳶(こんとび)

紺色は「青」、鳶色は「赤」。
色相の離れた色名を組み合わせている
面白い色名です。

流行色は歌舞伎役者から

江戸時代中期以降、歌舞伎は町人たちの娯楽としてすっかり定着しました。
人気の歌舞伎役者たちが身に纏う着物の色や文様は人気となり、
「役者色」、「役者文様」と呼ばれ、たくさんの流行が生まれました。

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路考茶(ろこうちゃ)

女形 二代目 瀬川菊之丞が1766年の「八百屋お七」で着用した
着物の色で、江戸時代で最も良く知られた役者色の一つです。

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市紅茶(しこうちゃ)

上方の人気役者 市川市紅に由来する色名です。
人気の色だったのですが、現在、正確な色調は不明の
不思議な色です。

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璃寛茶(りかんちゃ)

俳名 璃寛の二代目 嵐吉三郎が好んで舞台衣装とした色です。
璃寛は三代目中村歌右衛門と人気を二分する役者でした。

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團十郎茶(だんじゅうろうちゃ)

市川家が使用する柿渋色です。
五代目市川團十郎が「暫(しばらく)」の衣裳に用いたことから、
團十郎茶と呼ばれるようになり、代々受け継がれています。

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舛花色(ますはないろ)

こちらも五代目 市川團十郎ゆかりの色で、
市川家の家紋である「三舛」の舛という言葉が使われています。

shikanncya

芝翫茶(しかんちゃ)

俳名 芝翫の三代目 中村歌右衛門が好んだことから
名づけられた色名です。

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梅幸茶(ばいこうちゃ)

俳名 梅幸の初代 尾上菊五郎が好んだことからの色名。

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岩井茶(いわいちゃ)

女形であった五代目 岩井半四朗ゆかりの色と
言われています。

お茶の色は茶色?緑色??

江戸時代初期に伝わった淹茶法(えんちゃほう)は、
簡単にお茶が飲めることから急速に広まりました。
この時のお茶の色は「茶色」。

お茶の色が緑になったのは、江戸時代中期に
宇治の農家 永谷宗円が「青製煎茶」という手法を開発したことから。
当時は京都では受け入れられず、江戸で大人気となったそうです。

これが現代の緑茶につながっています。

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茶色(ちゃいろ)

茶の葉や茎を煮出した汁で染める茶染めの色です。

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煎茶色(せんちゃいろ)

江戸時代中期までの煎茶は緑色ではなく、茶色でした。

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利休茶(りきゅうちゃ)

江戸時代中期以降に見られる色名です。
千利休とは関係はないとのことですが、抹茶の緑みをイメージする色です。

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利休白茶(りきゅうしらちゃ)

千利休の時代から約200年ほどした
文化・文政期(1804~1829年)に流行した色名です。

どんな色も粋に変身?!

江戸時代、奢侈禁止令によりたくさんの茶色と鼠色が生まれました。
鼠色は「穏やか、粋、保守」などを表し、どんなに強く激しい色でも
鼠色を加えると穏やかな色みになります。

そして、江戸時代、本物の鼠もペットとして大流行しました。
江戸初期に中国からやってきた白鼠が「南京ネズミ」と呼ばれ、
ペットブームがはじまりました。

当時、鼠を飼うためのガイドブックまで登場していたそうです。
今も犬や猫の飼い方の書籍はたくさん本屋さんに並んでいます。
それとなんら変わらないですね。

rikyuunezu

利休鼠(りきゅうねず)

千利休の名前を冠していますが、直接的な関係はありません。
抹茶を連想させる色に多く利休の名前が使われています。

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島松鼠(しままつねず)

渋く落ち着いた緑色です。

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遠州鼠(えんしゅうねず)

江戸時代に人気のあった小堀遠州にあやかった色名です。
「綺麗さび」と言われ、さびの中にも華やかさのある色です。

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臙脂鼠(えんじねず)

紅鳶色、牡丹鼠などとも呼ばれ、江戸の人々から人気の色でした。

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丁字鼠(ちょうじねず)

江戸時代、人気のあった香木で染めた丁字色から様々な色が作りだされ、
そのなかの一つです。

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茶鼠(ちゃねず)

江戸時代中期の流行色の茶色と鼠色をかけあわせた流行色です。
茶は「渋くて粋」、鼠は「品よく粋」とされていました。

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藍鼠(あいねず)

藍色と鼠色をかけあわせた渋い色です。

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江戸鼠(えどねず)

江戸と冠する色名は流行の最先端、という意味もありました。

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京鼠(きょうねず)

華やかさのある上品な色です。

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小町鼠(こまちねず)

薄い鼠色に「小町」とつけて、若い人向けに
美しい色として売り出された色です。

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紅消鼠(べにけしねず)

紅に黒を重ねたような暗い灰みがかった赤紫色。
「消」も「鼠」も色みのないことを表しています。

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溝鼠(どぶねず)

「墨の五彩」の4番目の「濃」にあたる暗い色です。
江戸時代の人気の色でした。

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鼠志野(ねずみしの)

落ち着いた紫みの暗い灰色です。

和の色名

roiro

呂色(ろいろ)

生漆に油類を加えずに精製した黒色です。
男性の着物は黒、茶、煤竹色や呂色が人気で、
男性の粋な着物の色だったようです。

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御納戸茶(おんなんどちゃ)

藍海松茶(あいみるちゃ)に染められた布が、経年変化により
この色に変わり、気に入ったので「御納戸茶」と名付けたと
江戸時代後期の書物にある色名。

納戸色もそうですが、経年変化の色は
「納戸」と色名につけたくなるのでしょうか?

aisumicya

相済茶(あいすみちゃ)

仲直りの色、と言われています。
とある喧嘩後の和解の席で双方が着用した着物の色が
この色で、相済んだことから「相済茶」と名付けられています。

shibucya

渋茶(しぶちゃ)

渋く落ち着いた穏やかな茶色です。

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海松茶(みるちゃ)

「万葉集」にも登場する色名ですが、
江戸時代に人気の色でした。

tokicya

鴇茶(ときちゃ)

鴇色に近い茶色です。

ikoucya

威光茶(いこうちゃ)

「威光」とは初代水戸藩主 徳川頼房(よりふさ)のおくり名です。
頼房は水戸黄門で有名な水戸光圀の父親です。

また、おくり名とは、生前の事績への評価に基づく名前のことを指します。

omeshicya

御召茶(おめしちゃ)

11代将軍 徳川家斉が着用した着物の色に由来している色名です。

tonocya

沈香茶(とのちゃ)

殿茶、とも表記される色。
御召納戸の薄い色を「殿茶(沈香茶)」と呼んだそうです。

karacya

唐茶(からちゃ)

「唐」には舶来の、新しい、美しい、などという意味がありました。
中国から伝わったお茶は、舶来の新しく、美しいものだったのだと感じます。

今も流行は海外から入ってきますよね。
それと同じ感覚ですよね。

tokigaracya

鴇唐茶(ときがらちゃ)

江戸後期に人気のあった明るい茶色です。

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錆利休(さびりきゅう)

利休茶に代赭(たいしゃ)を加えた色です。

とても色が多くて長くなってしまいました、ごめんなさい。
それでも、ご紹介しているのは一部にすぎません。

四十八茶百鼠、とても趣きのある色ばかりで、
江戸時代の人たちのオシャレさが伝わってきます。

規制のある中で色を楽しむ。
現在の我々がおかれているコロナ渦の状況に対しても
たくさんのヒントがあるように思えてなりません。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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