かさねの色め~平安時代の色~

smoke 色彩
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

仕事柄、「お洋服の色の合わせ方がわからない」と
お悩みの方によく出会います。

私はいろいろなところにヒントがあると思っていて、
たとえば、カーペットやラグ、カーテンの色を見るだけでも
色合わせのヒントになるなぁと思っています。

今日はそんな色合わせの悩みは今にはじまったものではなく、
昔からあったんだ、と思わせられる「かさねの色目」について
書いてみたいと思います。

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かさねの色目

かさねの色目とは
平安時代、貴族の衣装に使われた配色のことをさします。

配色で表現されたのが「季節の着こなし」です。

平安時代の色名は『延喜式(えんぎしき)』とよばれる
規則集にまとめられています。

この中の衣服令には染色の規定が具体的に記されていて、
体系的で詳細な規定が残されているので、平安時代の
色名を具体的に知ることができます。

14巻「縫殿寮式(ぬいどのりょうしき)」に、宮中での
衣服製造管理や色名、染色方法がしっかりと記録されています。

この時代は、身分によって着用できる色が決められている時代でした。

襲と重

襲(かさね)と重(かさね)の違いをご紹介。
どちらも同じ読み方なので、こんがらがりますよね。

十二単などのように、何枚もの着物を重ねた
女房装束の重ね着の配色。

平安装束である「袷(あわせ」)の表地と裏地の
色の組み合わせのことを指します。

どちらも色名は伝承されてきた家によって異なり、
現在確認できているものが200種類ほどと言われています。

そして、どちらもあわせて「かさねの色目」と呼ばれることがあります。

かさねの色目には、
季節や自然の風物に因んだ名前が付けられていて、
配色の美しさもさることながら、
その名前の響きもとても美しい風流なものです。

配色技法の名前

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ここで配色技法をご紹介します。

匂い(におい)
同系色のグラデーション。

薄様(うすよう)
同系色のグラデーションで白に至る。

村濃(むらご)
ところどころに濃淡。
★村は「斑」をあらわします。

単襲(ひとえかさね)
下色が透けて重色となる。
単は裏地がないので透過する。

裏陪(うらまさり)
裏地の方が濃い。

捩り(もぢり)
裏地を表にする

最も色彩豊かだった時代

日本で最も色彩豊かだった時代が
平安時代・天平文化の頃と言われています。

かさねの色目は身につける時期やシチュエーション、
年齢などがとても細かに決められていて、
ルールもありますが、もちろん、個人のセンスも必要でした。

そんな細かなルールを熟知し、季節のうつろいを読み、
バチっとあった配色にするのは大変。
ボヤボヤしていたらできません。

なので、その時代、姫様にとっては
それぞれおつきの女官のセンスが大事、だったのです。
その女官の代表格が紫式部や清少納言です。

知性とセンスが姫様の着こなしや書く文の紙の配色、
ひいてはご縁談などにまで影響する大変な時代でした。

歴史上、もっとも豊かな色彩感覚をもっていた平安貴族たちは
色のセンスを競いあい、さらに色彩を楽しんでいたのですね。

この時代になぜこんなにも色彩が豊かになったのでしょうか?
さまざまな要因があったと思いますが、大きく2つのことが考えられます。

選べる色の範囲が広がった

記事冒頭に書いていた身分階級によって定められていた
着物の色が、禁色制度から許可制へと少し選べる色の範囲が
広がったことにより、華やかな色使いが可能となりました。

グラデーションがうまれた

それまでは深(こき)・浅(あさき)という
2つのトーンだったところに微妙な色合いの中間色が生まれ、
少しずつ色を変化させて、美しいグラデーションを
かさねの色目に使うことができるようになりました。

中間色はどの色も趣きのある色ばかりで
貴族の衣装に多く取り入れられました。

純色とよばれる混じりけのない色に白を加えると明色(めいしょく)、
黒を加えると暗色(あんしょく)、
白から黒の間のグレーを加えると中間色がうまれます。
中間色とはグレイッシュな色と思ってみてください

また平安貴族の豪華な生活からも多くの彩りが生まれたことが
源氏物語からも伺うことができます。

第22帖 玉鬘の中に「衣配り(きぬくばり)」と
よばれる場面があります。

源氏が姫様たちの新年の晴れ着を紫の上と一緒に選ぶシーンです。

色や柄は姫様の人柄や源氏の想いの深さを表していて、
紫の上はその選ばれた着物から、会ったことのない姫君たちを想像します。

着るものがその人をあらわす、今も昔もあまり変わらない感じですよね。
その人らしさが出せる、そして、着ている人がその色で癒される、
そんな色選びができるといいですね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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