和の色名 秋の色~長月・実りの秋~

zakuro 和の色名
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

まだまだ厳しい暑さが続いていますが、間もなく9月。
いつまでも続く暑さに辟易としますが、夜には虫の音が聞こえ、
季節は確実に進んでいます。

今日の和の色名は、秋色をたくさんご紹介したいと思います。

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穂を垂らした稲 禾(のぎ)

禾とは、稲などの穂先に生えている毛のこと、であり、
稲や麦、稗(ひえ)、粟などの穀物の総称でもあります。

「のぎ」や「のげ」と呼ばれ、「禾」の文字は、
穂を垂らした稲の姿を描いたものから成り立っています。

縄文時代にはすでに日本に伝わっていた稲。
実りの早いものが「早稲(わせ)」、遅いものは「晩稲(おくて)」、
その中間に収穫するものは「中稲(なかて)」と呼ばれます。

秋は多くの植物の実りの季節であり、収穫の時でもあります。

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尾花色(おばないろ)

秋の七草の一つである薄(すすき)の古名が尾花。
尾花色は薄の花穂の色です。
優しく、目立たない色ですが、平安人の心をとらえました。

尾花色はコチラでも紹介しています。

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惚色(ぼけいろ)

淡くくすんだ色。
くすんだはっきりしない色の総称でもあります。
あたたかみのある、上品な色です。

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翁茶(おきなちゃ)

老人の白髪のような茶色がかった、上品で穏やかな色。
白茶の中で一番白に近い色、とされています。

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茅色(かやいろ)

わずかに赤みを帯びたくすんだ黄色。
茅・萱は血茅(ちがや)、菅(げ)、薄(すすき)などの総称。

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藁色(わらいろ)

稲の茎(藁)のようなくすんだ黄色です。

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土器色(かわらけいろ)

土器とは素焼きの陶器のこと。

中世の狂言の文句「土器色の古袷(あわせ)」のように
古びて茶色くなった布の表現などに使われました。

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梨子色(なしいろ)

梨の表皮の色。

梨は登呂遺跡(弥生時代後期)で種が見つかっていて、
古くから日本人に親しまれている果物です。

日本では食べて楽しみますが、中国では花を愛でていたそうです。

また、梨は「無し」に通じ、これを嫌ったところから
「有(あり)の実」とも呼ばれたりするそうです。

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胡桃色(くるみいろ)

くるみの樹皮や果皮、根で染めた色です。
胡桃色は平安時代には写経用の紙染に用いられていたそうです。

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柘榴色(ざくろいろ)

柘榴の果実や花の色と言われています。
柘榴は釈迦が子を食べる「鬼子母神(きしもじん)」に
子供の代わりに差し出した果物です。

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重陽の節句

9月9日は重陽の節句ですね。
菊の節句で、長寿を祈る日です。

新暦だと少し早いですが、旧暦ですと
ちょうど菊の花が満開のころ。

この節句も中国から伝播した文化です。
中国では奇数は縁起のよい陽の日とされ、
3月3日、7月7日など奇数が重なる日は、幸多い日とされました。

そして、一年の中で最も大きい陽の数である9が重なる
9月9日を「重陽」と呼び、「菊の節句」として伝わりました。

中国では、菊は優れた薬効をもつ植物として古くから知られ、
4世紀の書物には菊が群生している谷を下ってきた水を飲んだ
村人たちが長寿になったという「菊水伝説」が記されています。

薬効の植物とされてきた菊は、平安時代に日本に入ってきて、
今でも不老長寿を願い邪気を払う花として定着しています。

そんなところから、平安時代、宮中では菊を鑑賞したり、
盃に菊の花びらを浮かべてお酒を飲んだり、
詩歌を詠みあったりと雅やかに過ごしていたようです。

また、「桃の節句」のちらし寿司、「端午の節句」の柏餅のように、
「重陽の節句」は庶民の間では「栗の節句」として
「栗ごはん」を食べて祝っていました。

これは、重陽の節句が作物の収穫時期と重なるため、
収穫祭としての意味合いが濃いと考えられています。

このように節句に食べられるものは「行事食」と呼ばれます。
1年を通して自然の恵みに感謝し、伝統行事や祭りの際に
食べる食事のことで、健康祈願の意味も含まれており、
旬の食材が取り入れられています。

さらに、「くんち(九日)に茄子を食べると中風にならない」
という言い伝えもあります。

「くんち」とは、収穫を祝う秋祭りの総称の一つで、
旧暦の9月9日、重陽の節句の際に行われた祭りであることから、
「九日(くんち)」の名前が定着したと言われています。

「長崎くんち」や「唐津くんち」はその名残で
「御九日(おくんち)」のお祭りです。

また、「中風」とは発熱や悪寒、頭痛などの症状の総称で、
重陽の節句に「茄子の煮びたし」や「焼き茄子」などの
茄子料理を食べて、不老長寿や無病息災を祈ったそうです。

そして、江戸時代に入り庶民の間で「後(のち)の雛祭り」
という風習が生れました。

これは、9月9日に雛人形を再び飾り、長寿の願いを込めるというもので、
貴重な節句人形を1年間しまい通しにせず、虫干しをして痛みを防ぎ、
長持ちさせようという知恵が込められていました。

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茄子紺(なすこん)

茄子の実の表皮のような色です。
濃く染められた紺色で、紫みが強い色。

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茄子納戸色(なすなんどいろ)

茄子紺と納戸色をかけあわせた色です。

秋は実りの季節で、暖かみのある色が多い印象です。
まだご紹介したい色がありますが、長くなりましたので、
次の記事としたいと思います。

最後までお読みください、ありがとうございました。

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