和の色名 冬の色~睦月・新年を迎えるころ~後編

akaisora 和の色名
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

前編に引き続き、睦月・1月にまつわる色を紹介していきます。

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魔よけのご飯

昔はお正月を迎えると年を重ねる、という考え方でした。
数え歳で、生まれたときに1歳、その後、新年を迎えると
一つ年をとりました。

お正月に新しい着物を着たり、ご馳走があるのは、
お誕生日のお祝いもあったのですね。

また、古代より赤い色は魔よけ・厄除けの色で、
赤い小豆にも病を退ける力があるとされていました。

お祭りの前に、神様を迎えるための心身を清浄に保ち、
生活する期間「斎忌(さいき)」のはじまりと終わりに
食べられていました。

それがやがて、晴れの場での食事に変化し、
お祝いの席でお赤飯を食べるようになりました。

赤飯が一般的になったのは江戸時代だそうです。

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小豆色(あずきいろ)

小豆の実の色で、茶色みがかった深い紅赤です。

小豆は「古事記」にも登場し、
古くから食べられてきたものですが、
色名は江戸時代中期からのものです。

庶民の着物の色に多く用いられました。

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小豆鼠(あずきねず)

小豆色に鼠色をかけあわせたもの。
赤みがかった灰色です。

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小豆茶(あずきちゃ)

小豆色と茶色をかけあわせたもの。
小豆色より赤みが強くなります。

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羊羹色(ようかんいろ)

和菓子の羊羹(ようかん)のようなわずかに赤みを帯びた濃い茶色。
江戸時代からの色名です。

黒や濃紫、鳶色などの衣服が色褪あせてきた様をあらわしました。

余談ですが、羊羹は元は「羊肝」と表記された、
羊の肉や内臓などのお吸い物だったそうです。
肉食が禁じられていた日本では、小豆の汁ものとなり、
安土桃山時代に現在のような姿になったそうです。

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醤色(ひしおいろ)

黒みを帯びた赤みの色です。
蘇芳色を暗くした色、とも言われます。
襲(かさね)の色めに用いられました。

醤は発酵調味料。
お味噌や醤油の原型です。

色のない色を求めて

美しいものや高貴なものが変化した姿となる、
「やつし」の美学がこの季節には、目に見える形で存在します。

枯野についてはこちらにも書いています。

江戸時代の感性は、信じられないくらい深く、
精神性の高いものでした。

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枯色(かれいろ)
枯れた草木の色で、平安時代の襲の色めでは冬の色と
されていました。

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枯草色(かれくさいろ)

淡くくすんだ黄色ですが、
かすかに草の緑色を連想させる色です。

木枯茶

木枯茶(こがらしちゃ)

こがれちゃ、とも呼ばれる、枯葉の茶色です。

クローブとして知られる丁字の木で染められた茶色は、
「唐茶(からちゃ)」と呼ばれていましたが、
安土桃山時代以降に登場した色名です。

中国から丁字の木が入ってきたので、「唐」の字が
使われていましたが、「枯茶」とも称されていました。

江戸時代に入り、茶系の色が大流行したころに
「木枯茶」に変化しました。

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古晒色(ふるざれいろ)

特定の色ではなく、もとの色がくすんで薄くなった色です。

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香色(こういろ)

丁字や伽羅など香りの高い香木を煎じて、
媒染を使わずに淡く染めた色です。

染料となる木の種類によって、色合いは少しずつ異なります。

染めたあとしばらくは芳香があり、
平安貴族の衣裳に好まれ、源氏物語や枕草子にも登場します。

淡い色は「薄香(うすこう)」、
赤みの色は「赤香(あかこう)」と呼ばれます。

和の色名、季節ごとのご紹介はここまでです。

最後の最後、とても長くなってしまい、
前編・後編に分けました。

お読みくださり、ありがとうございました。
まだもう少し、歴史で見る和の色名は続く予定です。

皆様にとって幸多い、平和な一年でありますよう
心より祈念申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

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