和の色名 夏の色~文月・七夕の頃~

紫陽花 和の色名
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

今年も早いもので後半がスタート。
上半期はコロナウイルスの影響で体験したことのない世界で、
大事なことって何だろう?と考える時間が多くありました。

どうなることかと思いましたが、これからまたしっかりと
健康第一に、世界中の人が穏やかに過ごせる日々を
取り戻していきたいですね。

夏も本番に入る7月。
この時期にそぐう和の色名をご紹介していきたいと思います。

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田んぼの神様が天に昇るころ

半夏(はんげ)は夏至から11日目頃をさし、
半夏(烏柄杓 からすびしゃく)の花が咲く頃。

2020年は7月1日が「半夏生(はんげしょう)」です。
関西では「半夏生」の日には、タコを食べるという習慣が
古くからありました。
(そこから転じて、現在は夏至にも食べられています。)

「稲の根っこがたこの足のように地面にしっかりと根付き、
たくさんの穂をつけるように」という豊作祈願から起こった風習です。

因みに7月2日はタコの日として制定されているそうですよ。

また、この日に降る雨を半夏雨(はんげあめ)と呼び、
田んぼの神様が天へ昇るときに降る雨といわれています。

地方によっては半夏生のお天気によって、一年の豊作を占う
習慣もあったようです。

この日に降り始めた雨は何日も降り続くことがありますが、
梅雨もいよいよ終盤で、田植えを済ませた農家の方が休息を取るころ。

織姫と彦星 七夕

七夕は「たなばた」、または「しちせき」とも読み、
古くから行われている日本のお祭り行事の一つです。

一年間の重要な節句をあらわす五節句の一つにも数えられています。
(五節句 → 人日1月7日、上巳3月3日、端午5月5日、
七夕7月7日、重陽9月9日)

七夕の起源には数多く説がありますが、

(1)もともと日本の神事であった「棚機(たなばた)」
(2)織姫と彦星の伝説
(3)奈良時代に中国から伝来した「乞巧奠(きこうでん)」
という3つの行事があわさったものと言われています。

七夕についてはこちらの記事で詳しく書いていますので、
よろしければ併せてご覧ください。
七夕の色1
七夕の色2

無病息災を祈る 祇園祭

京都・八坂神社の祭礼で、7月1日から1か月続くお祭りです。

平安京では病気や感染症が流行し、富士山の噴火など不穏な時代背景から、
貞観11年(869年)、無病息災を祈る儀式が行われ、
それが起源として現在に続いていると言われています。

今年はコロナウイルスの世界的蔓延が象徴的な年です。
時代は変わっても、人々の暮らしはあまり変わらないものですね。

和の色名

ここからは夏のこの時期にそぐう和の色名をご紹介していきます。

syoubuiro1

syoubuiro2

菖蒲色(しょうぶいろ)

初夏に咲く菖蒲の花のような色。

ショウブ、カキツバタ、アヤメと似ていますが、
ショウブは湿地帯、カキツバタは水辺、アヤメは乾いた土に
生えるとか・・・

色や模様も少しづつ異なります。

kakitubatairo1

kakitubatairo2

杜若色(かきつばたいろ)

杜若の花のような色です。

カキツバタは「書きつけ花」が転じたものと言われていて、
かつてはこの花に布や紙を摺りつけて紫をとっていたことが伺えます。

「万葉集」にもそのことがわかる描写があり、また、アイヌ語では
杜若は「手紙を書く花」という意味があるそうです。
花から採れた色で手紙を書いていたなんてロマンチックに聞こえますね。

sousyoku

蒼色(そうしょく)

蒼とは草が深く生い茂ることを表しています。
蒼山は青く緑深い山のこと。

hekisyoku

碧色(へきしょく)

碧玉は石英に不純物が混ざった結晶で、
紫、青、緑、紅と色幅が広いです。

古代から勾玉などの装飾品や印材などに用いられました。

yamaaizuri

山藍摺(やまあいずり)

山藍をこすりつけて染める原始的な染の色で、
「万葉集」にも登場し、神事に用いられていました。

kairyokusyoku

海緑色(かいりょくしょく)

冷たそうな深い海の色です。
海緑石は緑色や青緑色の鉱物のこと。

tetsufukagawa

鉄深川(てつふかがわ)

くすんだ青緑色「深川」に「鉄」を重ねた渋い色。

natsumushiiro

夏虫色(なつむしいろ)

夏の涼しさを感じさせる薄緑色。
夏に繁殖する虫の色で、青峨の羽根の色や玉虫の色と
言われていますが、定かではありません。

「枕草子」には「指貫はむらさきの濃き。萌黄。夏は二藍。
いと暑きころ、夏虫の色したるも涼しげなり」とあり、
当時はよく使われる色だったようです。

shinobuzuri

忍摺(しのぶずり)

忍草(しのぶくさ)の茎葉を摺りつけた色です。

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花萌葱(はなもえぎ)

花色(青)に黄を染め重ねて萌葱色に近づけた色です。

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藍色(あいいろ)

藍は人類最古の植物染料の一つです。
藍の葉を刻んで発酵させ、乾かして固めた蒅(すくも)を
染料とします。

日本の藍は「蓼藍(たであい)」。
英名インディゴの起源となっているのは、インド藍です。

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紅(べに・くれない)・呉藍(くれあい)

紅花の濃い染めです。
王侯貴族の装束に奈良時代から好まれ、
紅花染の愛好が最高潮となった平安時代からの色名です。
(紅は何通りかあり、これについてはまた別記事で詳しく書きます。)

重ね染めの「濃染(こぞめ)」が最上とされました。

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二藍(ふたあい)

二つの藍、藍染の藍と紅花の呉藍のこと。
この二色を掛け合わせた紫のグラデーションのことをさし、
何通りかあります。

色みは青みの二藍から紅に近い二藍まで幅広く、
若い人は紅色に近い二藍で華やかさを表現、
歳を重ねるほど青みの濃い二藍で落ち着きを表現していたようです。

また、この色は平安時代には大人気で、主に夏の色として好まれました。

「源氏物語」では、「藤裏葉(ふじのうらば)」の帖で、光源氏が
息子の夕霧に二藍のコーディネートをアドバイスする場面や
「空蝉」の帖で、若くて元気な軒端荻(のきばおぎ)が
白い羅(うすもの)の単襲(ひとえがさね)に二藍の小袿(こうちぎ)を
着用している描写があります。

7月・文月にふさわしい和の色名をご紹介してきました。
いかがでしたでしょうか?
同じ色名でも色が違うものがたくさんあり、
少し紛らわしいかもしれません。

ただ、同じものからこんなにもたくさんの色を生みだせる
日本人のインスピレーションや技術は素晴らしいと感じます。

暑さが厳しい時期、色から少しでも涼をとれるといいですね。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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