和の色名~明治維新後の色~

bluesky 和の色名
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

昨年からご紹介してきた和の色名、歴史から見る色のシリーズです。
今日ご紹介する和の色名は、明治維新以後に生まれた色名。
歴史から見る和の色名の紹介はこちらの記事が最終です。

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西欧化の波 新しい時代の象徴

18世紀中ごろにイギリスではじまった産業革命。
工業化の波はヨーロッパから日本へも渡来します。

染色も従来の草木染による優しいものと異なり、
くすみのないビビッドな色が印象的なものとなりました。

shinnbashiiro

新橋色(しんばしいろ)

工業化を代表する色。
ドイツ・ベルリンで作られた青色合成染料は
幕末に日本に伝えられました。

輸入された化学染料の鮮やかな青を
先端を切って和服に取り入れ、
愛用したのが新橋の芸者さんたちでした。

新橋色は、金春新道に芸者置屋があったことから、
別名「金春色(コンパルイロ)」とも
呼ばれます。

銀座には現在も金春通りがあり、
金春(コンパル)の由来を調べたところ、
江戸時代に能楽の金春流の屋敷があったことに由来している、
とありました。

江戸時代に幕府直属の能役者として、土地や俸禄を与えられていのは
金春・観世・宝生・金剛の四家。

最も歴史のある金春家は室町時代以来繁栄し、
江戸時代初期から観世太夫とともに江戸で能を演じていた名家、
とのことで、現在もその名前が冠されているそうです。

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洋紅色(ようこうしょく)

江戸時代後期に輸入され、明治の文化人たちに
珍重されたとも言われるカーマインの濃い紅色。

富国強兵は色にもあらわれる

日清・日露戦争があったころ、
文学で言えば、夏目漱石の「吾輩は猫である」が
発表されたころです。

鎌倉時代の「褐色(かちいろ)」や
江戸時代初期の「憲法染(けんぽうぞめ)」と同じく、
「新時代を拓く」という強い意志を感じられる色が、
明治の色として、軍勝色や紫紺であらわされました。

また、西洋かぶれを戒めて、復古調が叫ばれ、
海老茶、紫紺、臙脂色は古(いにしえ)を
イメージする色として用いられました。

前に進もうとする力と
日本古来の良さを残そうとする思いとがあいまった、
不思議な時代でもありますね。

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軍勝色(ぐんかついろ)

日露戦争に勝利した時に流行した色です。
別名、勝軍色。

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紫紺(しこん)

明治以降、流行色としてあらわれました。

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臙脂色(えんじいろ)

暗く濃い紅色。
色名は古代中国の燕(えん)の国の紅が
由来とされています。

江戸時代には顔料や染料の名としてはありましたが、
一般的になるのは明治時代以降らしい。

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紅富士色(べにふじいろ)

明治後期に流行した紅藤色が、
大正時代にこの名前で再び流行しました。

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海老茶(えびちゃ)

華族女学校で制服が海老茶の女袴を創案すると、
あっという間に人気となり、新しい時代の象徴となりました。

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勿忘草色(わすれなぐさいろ)

3月から5月にかけて咲く、
ワスレナグサの花のような明るい青。

明治時代からの色名です。

勿忘草の名前は、ドイツの伝説から生まれています。
恋人のために、小島に青い花を取りに行った青年が
急流に巻き込まれ、「私をわすれないで」という
彼の最後の言葉を、嘆き悲しんだ恋人が
花の名前にしたと言われています。

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草山色(そうざんしょく)

大正時代に流行した明るい草色です。

araisyu

洗朱(あらいしゅ)

「洗」には色が薄くなった、という意味があります。
明治時代後期、日本文化を大切にしようという気運が高まり、
伝統的な日本調の色が新たに登場し、洗朱もそうした色の一つです。

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亜麻色(あまいろ)

西洋では、淡い金髪の形容に用いられる色です。

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薄珊瑚(うすさんご)

乙女色とも言われる優しいイメージの色。
大正時代後期の流行色です。

barairo

薔薇色(ばらいろ)

薔薇色が色名として登場するのは、明治時代以降です。

umenezu

梅鼠(うめねず)

大正時代からの色名です。
梅鼠には濃淡の幅があり、
この色見本は濃い色調です。

異なる明るさの梅鼠はこちらにも書いています。
よければご覧くださいね。

ushiomidori

潮緑(うしおみどり)

大正時代末期の流行色。
青緑がかった灰色です。

bunjincya

文人茶(ぶんじんちゃ)

文人好みの色名。
明治時代中期、プルシャン・ブルーや新橋色などに対し、
渋い茶色や海老茶が復活しました。

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錫紵(しゃくじょ)

天皇が二親等以内の親族の喪に服するときに着る、
浅黒色の闕腋(けってき)のご袍(ほう)をあらわす色。

喪に服す色は「鈍色(にびいろ)」と呼ばれ、
真っ黒ではありませんでした。

ここまでが時代から見た和の色名のご紹介です。

黎明のころから近代まで、たくさんの和の色名があり、
色を細やかに表現する日本人の繊細さや観察眼に驚かされました。

忙しい現代社会では、普段の生活の中で、「色を愛でる」ことは
なかなか難しいかもしれませんが、少しそんな時間があると
心がほっとするような気がします。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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