天然染め~薬にならない植物はなく、染料にならない植物はない~

naturaldyeing 色彩
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

天然染めをご存知でしょうか?
私は色の勉強をはじめてから知ることが多く、
とても興味深い世界でした。

植物のチカラは本当に素晴らしいです。
天然の染料で染めたものは身体にもいいと言われます。

アレルギーやアトピーなどで困っている方が多いので、
食べものに気をつかうように、
染料にも気を使えるような世の中になるといいなと思います。

是非、天然染めの世界を知っていただきたく、
ブログを書いてみようと思いました。

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自然のチカラ

タイトルにある
~薬にならない植物はなく、染料にならない植物はない~
この言葉は、私に天然染めを教えてくださった
故 吉岡幸雄さんの言葉です。

何度か講座を拝聴し、奥の深い色の世界をわかりやすく
教えていただきました。

天然染の原料となる植物は、とてもデリケートなものです。
なぜなら同じ植物でも産地が異なると
色が同じように出ない場合などがあります。

自然が失われていけばいくほど、
天然染も失われていると言えると思います。

平安期の資料を読み解きながら染色方法を見つけ出し、
さらには当時の産地で同じ植物の栽培をはじめたりと
様々な試みが行われています。

天然染めは時間が経過しても色褪せしにくく、
平安時代に染められたものが美しく残っていたりします。

余談ですが、
お茶で有名な宇治田原は、干し柿も名産です。

お茶畑には直射日光が少ない方がよく、
影が必要で、その影を作るために柿の木を
植えたことにはじまるそうです。

便利さや安易さを求めて、影を作るために、
柿の木ではなく、ビニールなどで覆うことにかえたら、
なんと、できたお茶が美味しくなかったそうです。

「影」にしても、天然のものの影の方が
いいということらしいです。ビックリですよね。

人間は便利さや安易さ、快適さを求めていろいろやるけれど、
結局、天然のチカラには叶わない、ということでしょうか。

赤系の色

紅花 べにばな

benibana

藍とともに植物染料の代表のような存在。

エチオピアからエジプトあたりが原産地とされる
キク科の一年草で、夏に紅黄色の花を咲かせます。

日本へは中国から飛鳥時代(6世紀~8世紀)ごろに
伝ったとされていましたが、

奈良県の纏向遺跡の排水溝から、大量の紅花の花粉が発見され、
弥生時代後期から古墳時代前期(3世紀頃)には
伝わっていたと考えられます。

平安時代には関東から中国地方にかけて広く栽培され、
近世の初期から中期にかけては東北地方、
特に山形県が代表的な産地となりました。

「最上紅花(もがみべにばな)」として知られていて、
現在も栽培が行われています。

紅花の99%は黄色の色素で、紅色の色素は1%のため、
そのままでは染色できません。

夏から秋にかけて花びらを摘みとり、乾燥させておきます。

花びらには大量の黄色が含まれているため、
にごりのない鮮やかな紅色にするには、花びらを何度も洗って、
黄色の成分を流して赤の色だけを取りだします。

紅色の色素カルタミンは水に溶けませんが、黄色の色素
サフロール・イエローは水溶性のため、分離します。

十分に洗った花びらを発酵させ(紅花寝かせ)、
臼でつき、紅餅をつくります。

紅餅とアルカリ性の藁や椿の木の灰でつくった灰汁と
酢で紅液をつくり染めていくと鮮やかな美しい赤となります。

「寒の紅(かんのべに)」といわれるように、
冬の厳しい冷え込みの中で染色すると色が冴えます。

蘇芳 すおう

suou

インド南部やマレー半島に生息するマメ科の低木植物。
木の中心(芯材)に赤色の色素が含まれています。

飛鳥・奈良時代に中国から蘇芳と蘇芳染の技術が伝わり、
正倉院御物にもみられます。

「蘇芳の醒め色(すおうのさめいろ)」と呼ばれ、
蘇芳で染めたものは褪色しやすく茶色に変化してしまいます。

明礬(みょうばん)や椿の木の灰汁で媒染すると、
やや青みがかった赤色に染まり、鉄で媒染すると紫色になります。

そのため、江戸時代には「似紫(にせむらさき)」
と呼ばれ、貴重な紫根染めの本紫にかわるものとして人気でした。

日本茜 にほんあかね

akaneofindia

★紛らわしいですが、画像はインド茜です。すみません。

茜は藍と並んで人類最古の染料と言われ、
4500年前の遺跡からも茜染の木綿が
出土しているそうです。

赤の染料としては最古のもの。
茜の根っこ「アカネ」が染料です。

本州以南に自生するアカネ科の多年草で、
1年目は黄色、2年目から赤色となります。

茜で染めると褪色が少ないのですが、手間暇がかかり、
技法も難しいため、日本では中世から江戸時代の中期まで
廃れていました。

日本茜のほか、インド茜、六葉茜も染料に使われます。

赤系の染料を書いただけで文字数がかなり多くなってしまいました。
今日はこのあたりで・・・
また別の記事で他の色の染料も書いてみたいと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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