和の色名 ~無彩色の世界~

blacknwhite 和の色名
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こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。

2020年2月からはじめた「和の色名」をご紹介する記事、
本日のこの記事で最終となりました。

最後を飾るのは無彩色の和の色名です。

白と黒。
自然界には存在しない色。

明と暗や有と無、勝と負、など
この二色があらわすものは多くあります。

素人・玄人もこの色からとられた言葉です。

対極にあると言ってもいいような色たちを
紹介していきたいと思います。

和の色名~はじまりの色~

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聖なる存在の象徴

白の語源は はっきりと顕れる
シル・シロ(顕著とか言いますよね)の状態、です。

一点の隠すところのない状態をあらわしています。

ここから転じて、穢れのない、潔白、神聖、などのイメージをもちます。
また、由緒正しい

また、精進の証、をあらわしてもいます。
舞妓さんとしてデビューし、経験を積んで、芸妓さんになる
その日を「襟替え(えりかえ)」と言うそうです。

深いお話なのですが、ざっくりとは、
舞妓さんは「赤襟」で、晴れて独り立ちして
芸妓さんになる日に、「白襟」となるそうです。
(ざっくりすぎてすみません)

奥深いですね。
もっと知りたくなりました。

※ここから白系の色見本が続きます。
いつものように白で色名を入れるとよく見えないので、
白と灰色の2色で文字入れしています。
(視覚効果で少し異なる色に見えてしまいますが、
同じ色です。)

純白・真白はまったくもって見えないので、
灰色のみの色名表示です。

jyunpakumashiro

純白・真白(じゅんぱく・ましろ)

実際には存在しない色。
純粋な白は「真っ白き富士」など、精神の気高さなどを表す
想像上の色です。

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shironeri

白練(しろねり)

なにも加工していない生絹(せいけん)は
やや黄みがかっていて、これを製錬して
あらわれるのがこの色です。

練色よりも明るい色で、古代は天皇の装束・袍の色、と
され、神聖な色とされていました。

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neriiro

練色(ねりいろ)

練糸のような色を指します。

ゴワゴワとした生糸を手で練り上げて柔らかくしたものが、
「練糸(ねりいと)」。

練色はこの練糸のような色で、黄みを帯びた白色をしています。

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enpaku

鉛白(えんぱく)

鉛から作られた白色顔料とその色の名前です。

透明感があり、かつては白粉(おしろい)として
使われていましたが、鎌倉時代には鉛中毒の危険性が
知られるようになり、使われなくなりました。

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nyuuhakusyoku

乳白色(にゅうはくしょく)

近代になってからの色名です。
しぼりたての乳のような、柔らかい色です。

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gofunniro

胡粉色(ごふんいろ)

古代中国では、「胡粉」と呼ばれる白色顔料が、
鉛によって精製されていました。

鉛中毒の危険性が知られるようになると、
牡蠣などの貝殻を砕いた粉によるものが使われるようになりました。

日本で貝殻の胡粉が使われるようになったのは、
室町時代からだと言われています。

「胡」と言う字は外国をあらわします。
胡麻や胡椒も外国からきたものです。

祭り事には白と黒

現在はお祝い事には「紅白幕」が使われますが、
実はその歴史は浅く、昭和に入ってから、なのだそうです。

以前は、お祝い事も白と黒の「鯨幕(くじらまく)」を
使うのが一般的でした。

現在でもこの伝統は、皇室行事や出雲大社、上賀茂神社、
下鴨神社など格式の高い神社の祭り事で残されているそうです。

闇の色

暗(い)が語源とされている黒。

日本書紀の中では、黒心・濁心・悪心、すべて
「キタナキココロ」と読むそうです。

確かに「黒幕」なんて言葉もありますものね。
(この黒幕という言葉は、元々は歌舞伎の言葉で、
黒い幕の裏で舞台を操るところが由来だそうです。)

古の時代、黒はネガティブなイメージだったようです。
現代では、威厳のある、とか、他をよせつけない、
高級な、シャープな、などネガティブだけではない
イメージがあります。

gen

玄(げん)

黒、をあらわします。
素(しろ)い対する言葉です。

※素色(しろいろ)についてはコチラ

kuriiro

涅色(くりいろ)

涅とは、川底に沈む黒い粘土や黒く染めるための
礬石(ばんせき)・明礬(みょうばん)を
あらわす言葉です。

kenpouzome

憲法染(けんぽうぞめ)

黒、というより、黒茶、という表現が近い色です。

京都の染匠 吉岡憲法が考案した、吉岡染めの色。
個人の名前が冠された珍しい色名の一つです。

shikkoku

漆黒(しっこく)

最上の黒、という意味で
別名「純黒(じゅんこく)」とも呼ばれます。

数ある伝統色(和の色名)の黒の中でも、
もっとも暗い色みの一つである漆黒。

漆の黒、と表記するように、
漆器のような深みと光沢のある黒が特徴です。

ウルシの樹液を精製したものを、
何度も何度も木地に塗り重ねて漆器となります。

古代は油煙や松煙などの煤を混ぜて、
より深い黒としていました。

国内では、縄文時代の遺跡からも
漆塗りを施した櫛が出土しています。

shinkoku

深黒(しんこく)

極限までに黒を強調した色です。

ここまでが和の色名の紹介です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

はじめた時は、こんなに長く書くとは思っていなかった
「和の色名」シリーズ。
書いている自分が一番勉強させてもらいました。

毎回、長い文章を読んだ下さった皆様、本当にありがとうございました。

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